LA道場 ファーストインパクト
昨日からヤングライオン杯が始まった。
それに先駆けて柴田のインタビューが公開された。
柴田 なんだろうな……。いまの日本の若手たちは試合中のアピールが必要以上に多くて。アピールに力を注ぎ過ぎなんですよ。若手の段階から対戦相手に背中を向ける事が多い。俺からすると「逆の順序でプロレスを覚えていってる」ような気がして。アピールしてる暇があったら、ストンピングしろと。
日本の若手が知らずに育ってきた新日本のルーツ的な部分を、俺が海外の若い人間に教えて、そことぶつかり合ったら、それこそ切磋琢磨出来るでしょうしね。お互いに良い刺激になると思います。コレは相当おもしろいでしょうね
まさに我が意を得たり。だった。
このご時世道場論に基づく強さを語ることはエンターテイメントプロレス全盛の今、テキサスの化石扱いされてしまう。
唯一それを言っているのが鈴木みのるひとりという現状。新日道場伝説を作った前田、船木を知る柴田ならではのアンチテーゼであり日頃物足りなさを感じている筆者は拍手喝采だった。
そして昨夜のアレックスとクラークである。
試合をみながら過去を引用するくどさをご容赦願いたい。そのぐらい見事に体現していたのです。
結果もさることながらまずその体つきがバリバリで辻と海野が気の毒だった。昔の全日本と新日のようだった。
立場は入れ替わっているが。
あの割れた腹筋を見て2人は何を思ったのだろう?
クラークの太腿ときたらあれだけでお釣りがくる。
次に観客へのアピールがない。
ただ相手を倒すだけに注力している。
勝つこと以外全て削ぎ落としたスタイル。まるで最初のダイナマイトキッドのようだ。
昨夜の2人から伝わるヒリヒリした空気はかつてのUWFや全盛期の猪木、長州の新日を彷彿させてくれた。
柴田のインタビューどおりの試合と肉体美と佇まいだった。
残念ながら今の新日には強さという説得力はない。サーカスのような凄さはあるが。
プロレスラーの強さ。
それは、新日が猪木と袂を分かってから
避け続けた命題だ。
自称ファンの芸能人たちにネタにされ笑われることを選択しレスラーも怖さと強さを捨ててしまった。
長州がテレビの取材にキレたことも今となってはいい昔話だ。
強さとは別次元で展開する新日マットで
まさか昨夜のような試合が見ることができるなんて予想以上だった。
新日本のルーツ。
柴田が薫陶を受けた
前田 船木 桜庭 星野勘太郎
そして父に柴田勝久。
クラークとアレックスの試合を通して過去とオーバーラップさせるのもプロレスファンの特権だ。
リアルプロレスラーと闘うヤングライオンのその後に期待しながら
ヤングライオン杯
楽しみだ。