marico world order

極私的プロレス観戦論

吸収ではなく統一か。

初めからこういうシナリオだったのか。

内藤の煽りも逆算してみるとヒントだらけとも取れる。

なぜこれだけ反対が多いのに統一するのだろうか。

誰も望まない統一チャンピオンシップが旗揚げ戦に行われる。

デスペラードが万に1つも勝つことはないが勝ったらどうなるんだろうか。

世間やスポーツ界の常識は全く通じないプロレス界。

何十年見ても本当に不思議の国なんだとつくづく思う。

底が丸見えの底なし沼は今も枯れることなくさらに透明度は無くなっていく。

まさか菅林が過激な仕掛け人になるとは。

内藤、飯伏、オカダの構想とは全く違うベルト新設。

ケニー  率いるAEWとの兼ね合いがありWWEへの共同戦線という政治的戦略の戦術のひとつがベルト新設なのだろう。

これもコロナ禍による副産物であろう。

 

もともと一回こっきりの年間最強王者を世界から集めて決めるのがコンセプトの

インターナショナルレスリンググランプリだった。

猪木 ボック ハンセン アンドレ ホーガン ブッチャー ワンツ シン 

このメンツが揃うのかと思いワクワクしてデパートの屋上でやったセレモニーにわざわざ行ったけ。

エレベーターに乗ったら猪木も乗ってきてそのデカさと迫力にビビった。

あの時の猪木は元気おじさんではなく格闘家のヒリヒリした空気を纏っていてとてもじゃないが

気軽に声かけなんてできなかった。とにかく今思い返してもかっこよかった。

なぜ猪木信者が生まれたか。あの時の猪木は誰も文句がつけようがないカッコよさだったんです。

猪木を凌ぐカッコいいレスラーは出ていない。

それでも握手していいですかって言って左手を触らせてもらった。

こっちには見向きもしないでエレベーターを出て行った。

自分の右手にはあの時の猪木のでかい手の感触がまだ残ってる。

だけど馬場との引き抜き戦争が起こりメンツはトーンダウン。

決勝はまだ二番手グループのホーガンが相手だった。

アンドレでもハンセンでもバックランドでもボックでもない格下のホーガン。

がっかりした。そして結末にもさらにがっかりした。

来年こそと思っていたら形式がかわり

インターナショナルレスリンググランプリヘビー級のベルトになって年に何回も防衛戦が行われていった。

NWFのベルトを封印した意味がなくなった。

ここで3度目のがっかり。

しばらくIWGPのベルト一本だったがジュニアにタッグ インターコンチ US とベルトだらけになり

当初の思想からはどんどん遠ざかる一方だった。

オカダ、内藤がベルトに固執することがヘビーのベルトの価値をかろうじて支えていたのだが

ここで世界をくっつけて新設するということだ。世界がついていないのはもともとの構想が世界統一だったからだ。

わざわざ世界をつけることは今のベルトは世界レベルではないことを証明したようなものだ。

国際と世界。頭痛が痛いと同じだ。

 

コロナ禍の中生まれた蛭子のごとき新設ベルト。

憎悪を塗り込められた呪われた世界ヘビーベルト。

プロレス史上最も望まれない王者がまもなく誕生する。

 

プロレスとはスポーツではない。興行である。スペクタルエンターテイメントなのです。

 

そうわかっていますが。わかっているんだが。

モヤモヤが晴れない。