marico world order

極私的プロレス観戦論

BUSHIは終わったのか。

密かにBUSHIの優勝を期待した今回のトーナメントも1回戦負け。

先のリーグ戦は開幕3連敗で結局は決勝には行けず。

ベルトとKUSHIDAを失ってからはすっかりバイプレイヤーの中堅レスラーとして

毎日毎日タッグマッチで負け役を黙々とこなす。

ヒロムのサポート役としてユニットの潤滑油として唐揚げ屋の管理者として

立ち回っていたらここぞという時に勝てないレスラーになった。

唐揚げの売り上げに反して毒霧とMXの成功率は下がる一方である。

 

全日から来た時はSUSHIとBUSHIの区別がつかずイロモノレスラーと思っていた。

それが内藤と組みヒールターンをして人気に火がついた。

彼がKUSHIDAと抗争している時期が一番熱かった。

 

 そのKUSHIDAが居なくなってBUSHIの存在意義もなくなった。

タイガーを失ったキッドのように

猪木と対峙しないシンのように精彩を欠いてしまった。

つくづくライバルって大事なのだ

 

KUSHIDAを追い詰めるBUSHIは、岩場で獲物を執拗に追いかける

ヘビのようだ。そんなBUSHIが見れたのもKUSHIDAというライバルがいたからだろう。

 

ラメ入りのテカテカしたコスチュームはヘビを、オーバーマスクから出る舌はトカゲを思い起こさせ、はるか彼方昔に人類のDNAに刻まれたヘビアレルギーを刺激する。

毒霧はヘビの毒を連想させてカブキやムタの吐く毒霧とは一線を画す。

本当に毒を吐いている錯覚に陥るのは爬虫類のようなBUSHIの毒霧だけだ。

残念ながらその毒霧もすっかり毒が抜けてウィスキーミストにそのリアリティを

持っていかれている。

 

もう一度6人タッグを見たいがEVILSANADAが違うステージに行ってしまったから組むことはない。

鷹木はヘビー転向でもうタッグを組むことはできない。

ヒロムは復帰すればシングル戦に専念するだろう。

シングルで結果の出ないBUSHIがタッグに再び活路を見いだそうと思っても組むメンバーがいない。

 

ビジュアル担当として毎回趣向を凝らしたオーバーマスクを花道で披露する時と

今日もBUSHIがフォール負けだったという最後。

入場と退場の時だけしか観客の目には映らない。

ましてやオスプレイ の目には全く映らない。

今のオスプレイに勝ったらどれだけ会場のボルテージが上がるだろう。

 

現状を見れば

このまま水槽で管理された鑑賞用のヘビやトカゲとして終わってしまいそうだ。

 

それでもBUSHIファンはこう思う。

 

水槽から出たBUSHIと復帰したヒロムのシングル戦をいつか見たいと。