marico world order

極私的プロレス観戦論

藤波ー武藤ー棚橋ー内藤の系譜

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この試合棚橋が解説席に座っていた。

棚橋の解説はいつも冷静でレスラー目線と現場監督目線とファン目線でコメントするので異なる三方向の見方を教えてくれる。

しかし毎回実況アナはそのよさを引き出すつもりが全くない。

この試合も内藤がKENTAの首を固めていると あれは効くんですよねー地味だけど。とコメント。タイチの殺人ビンタ発言もそうだがレスラーにしかわからない威力を伝えてくれるのはありがたい。

その棚橋が引き上げる内藤にチラ見された後に大阪城ホールでは勝ってるんですよねと言ってから

大阪城ホール 大流血 の符牒から藤波前田戦をひいてみせた。

過去は昔話ではなく今に続く1本の川だと再認識させてくれる。

ここでもう長年のプロレスファンには感涙レベルなのだが

さらに内藤を

藤波、武藤に連なるレスラーと位置づけた。

当然武藤と内藤の間には棚橋自身が入る。

内藤が新日に脈々と連なる受けのベビーフェイスの後継者とお墨付きをもらった瞬間だった。

そんな歴史的分岐点となろうかという棚橋のコメントは実況アナの前田の藤波評にすり替わりその言葉の意味の深さを元井ミラノ両氏に確認することもなく

リングアナウンサーの内藤コールと彼の入場曲の爆音によって棚橋の言葉はかき消されていく。

 

これだから棚橋の解説は油断がならない。

副音声で棚橋解説コーナーを設けてしっかりと技の解説やレスラー心理をぜひとも聞きたいものだ。

 

この試合は、棚橋の言葉に集約されてしまいそれ以上を語る言葉は見つからない。

 

そして

 

この日の試合で内藤は棚橋も認める究極のベビーフェイスの地位を手に入れたのである。