marico world order

極私的プロレス観戦論

金丸の腕

運動量が違うよ、動く量が。お前らも見て思うだろ? アイツら何がある? 言ってみろよ。なんもねーだろ? 

オイ、こっちが動いてんだよ、オイ。動かしてやってんだ、アイツらを。オイ、よく見とけ。明日もよく見とけ。オオ、それと、(※ウイスキーのボトルを見せつけて)ウイスキーねぇから。これもよく見とけ。どういうことか、オイ……そういうことだ」

「俺ら2人でな、この2人のチャンピオンらしいところ、引き出してやるよ。よく見とけ」

「まぁ、そこをなんとか、やってやろうじゃないか。出し切れなかったら、アイツらもその程度だな。俺の腕じゃない。アイツらが悪い」

 

タイトルマッチ前日の金丸のコメントの抜粋。

その言葉の通り金丸が要所要所で動いていく。

後半たたみかけるように金丸の受けっぷりが凄まじい。

金丸が受けることで鷹木のパワーが映える。

受けた後の金丸の身体の跳ね方はもうこれだけでチケット代を払う価値あり。

さすが馬場直々のプロレスと邪道外道に影響を受けているだけのことはある。

 

攻め主体のレスラーと対戦すると全日の受けるプロレスは観客には弱く見える。

それでずいぶん全日系のレスラーは損をした。

しかし試合をコントロールして組み立てているのはこの試合も金丸だ。

膝が動かない鷹木のぶんまで金丸が動く。

鷹木は金丸と出会えてラッキーだったと思う。

金丸が相手でなければここまで早く彼の良さは浸透しなかっただろう。

金丸を見ているとプロレスの醍醐味は受け身にあることに気づかされる。

 

 札幌2連戦。終わってみれば金丸が技を食らって派手に吹っ飛ぶ姿しか思い出せない。