marico world order

極私的プロレス観戦論

内藤に舵を切った新日。

先シリーズから始まったオカダと内藤の前哨戦。

連日ロスインゴの勝利によりデハポンの大合唱。

これは新日本の定番コースになったようだ。

これほど連勝するって誰がどう見ても不自然。

今年の夏前までの内藤への冷遇が嘘のようだ。

新日も内藤なら商売になることがわかったのか。

それともオーナーが上場のピースに内藤を使う決心をしたのか。

これがG1で優勝するということなのか。

 

今ではオカダがエースとは誰も思わないだろう。

オカダは3つどころか1つも言わせてもらえない。

棚橋はどこにいるかわからない。

毎日毎日、日本のどこかで内藤の大合唱が聞こえる。

 

「感情移入」できないレスラーと言われたオカダ。

内藤の言葉のセンスに震撼させられる。

これは致命的だ。ファンがオカダに対し常に持っていたモヤモヤしていたものが

この一言で決定づけられてしまった。

やれオカダは挫折を知らないとか強すぎるとか外道から独り立ちできないとか

作られたスターだとか言われてきたが、ファン目線で突いてきた言葉は初めてだろう。

ファンが「感情移入」できないレスラー。

これはすべてを言い表してしまう。だって本当にそうだから。

確かにオカダは強くてかっこいい。

しかし

オカダにはストーリーがない。オカダのプロレスには自己投影できない。

そんなよく似たレスラーを1人知っている。

ジャンボ鶴田だ。そこをついたのが天龍だった。

 

メディア戦略は、真壁、棚橋、オカダ。

あえて内藤たちは出さない。会場に来ないと体感できない。

ライブ担当がロスインゴ。

 

ライブの動員力が強い歌手が売れている。

もう地上波には出ない。安室奈美恵のような。

 

内藤の会場人気は、群を抜いている。

夏前まで触れなかった棚橋やオカダがその人気を認める発言をしている。

内藤の姿勢も一貫してきた。

会場にくるファンをどうやって満足させるか。

今年で最後の所沢大会とか

1年ぶりの大会とか

この会場では初めての大合唱であるとか

最後のマイクアピールで特別感を毎回出している。

これは、ファンにすれば嬉しいだろう。

前大会に来たファンなら覚えていてくれたのかと。

地方の大会ならなおさらだ。めったに両国やドームへ行けない地方のファンはその大会がドームと同じくらい希少なものだから。

これは確実にリピーターを増やす。

こうした草の根的な営業戦略は2年後のドームへつながるだろう。

実際今年のドームは売り上げがいいらしい。

 

ならば、一番効果的な営業をする内藤たちをメインにおかない、勝たせないわけには

いかない。会場に来たファンも内藤のマイクアピールを楽しみにお金を払ってくる。

それがないなら詐欺に等しい。

かくしてオカダは内藤のマイクを途中で遮ることでしか対抗できない。

(ただしメイン以外の時限定)

CHAOSは、地方のメインでは勝つことができなくなった。

 

内藤は、決してオカダには焦らない。

内藤が焦るのはその大会の観客動員数が前回より減少したときだから。