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極私的プロレス観戦論

SANADAのXデーはいつ?

ノーコメント   ノーマイク

すっかり千と千尋カオナシのようなキャラになったSANADA。

言葉を持たないレスラー。

ここまで話さないレスラーと言えば

川田とターザン後藤が浮かぶ

しかしそれ以上に彼は話さない。

話せない?

話したくない?

ともかく夏以降ピタリと口を閉ざしたままだ。


しかし最近のレスラーはよくしゃべる。若手から実績のないレスラーまでよくしゃべる。レスリングできちんと魅せられもしないのにペラペラと無駄にコメントが長い。

そのほとんどが聞いているこちらが

赤面するようなスポ根ドラマの台詞。そして意味不明な恫喝。

リアリティの一片も見出せない。

一度、舞台演出家を呼んで台詞の練習をしたらどうか?

メインが終わった後のお決まりのエンディングも3つも言わなくていいし本当はデハポンもいらない。毎回自己紹介もないだろう。

試合後の余韻にひたり席から立ち上がれない時もあってもいいだろう。

それがライブで見たものにしか与えられない特別な時間なのだから。


そんな時間を我々に返してくれそうなレスラーがSANADAだ。

彼が近い将来メインで勝ったとき、

無言でリングを降りる。

石井と柴田がメインの時はそうなる。あの放っておかれ置き去りにされた会場の熱気と余韻はいつまでも残る。誰もいなくなっても。

マイクアピールがあるとそこで完結してしまうから残念だ。余韻は残らず騙されたような満足感で観客は会場を後にする。

SANADAには無言キャラを期待したい。


しかし、それはすべてにおいて許されないだろう。

ファンは日増しに彼の声を聞きたがっている。内藤が言葉、言葉と連呼すればするほどSANADAにかえっていく。ケニーが文句を言えばそのぶんSANADAの態度に不満がたまる。

ファンのフラストレーションはたまる。なぜ黙っているのか?

なぜ反論しないのか?

それはまだ時期ではないからだ。

内藤の次なる仕掛けはSANADAをいつどこで喋らせるか。

2人で練りに練っているはず。

これもロスインゴの仕掛けだ。

内藤のことだ。半年先、1年先を見て戦略を練っているはずだ。

EVILが締める。

BUSHIが締める。

ヒロムがマイクを取らせてもらえない。

最後はSANADAだ。


内藤が言葉だよと言い始めたと同時にSANADAは一切話さなくなった。

石井にはあれほど文句を言ったのに

内藤もロスインゴのメンバーも誰もSANADAには言及しない。マイクアピールもふらない。

どう考えても不自然だ。

さらに彼以外のメンバーはアピールの度合いが激しくなっている。

まわりが白くなればなるほど黒の一点が逆説的に浮かび上がる。

ためにためる。

ひっぱりにひっぱる。

ファンのフラストレーションが最高点に達しSANADAが期待以上の結果を出したとき。

自然発生的にマイクアピールコールが起こる。マイクを握る。

それがいつなのか?

プレミアがつきそうな勢いのSANADAのマイクアピール。

次回の大阪か?

ワールドタッグ決勝か?

イッテンヨンなのか?

話さないことでファンの想像力を刺激する。

大SANADAコールの中、初めてSANADAがマイクで締める。

その時だけは、試合後の余韻にひたる時間を彼に預けよう。

そんな瞬間の空気を吸える幸運に立ち会える会場はどこになるのか?

果たしてXデーはいつなのか?


それは来年4月両国のメイン終了後とみる。

もちろん対角線に立つのは内藤だ。

そしてベルト奪取の暁には、

オカダへのリベンジを

それこそマイクアピールする。


そんな瞬間に立ち会いたいと切に願う。