AKBプロレスの是非?
AKBのプロレスは是か非か?
そもそもあれはプロレスという名前の舞台でしょ。
是非を問う必要も無い。
見たけど誰が見たって本物のプロレスからはほど遠い。
がんばってるね。かわいいね。でいいでしょ。
ウルトラマンがテレビから出てきてバルタン星人と戦う。
怪獣ショーや遊園地の仮面ライダーショーと同じものだから。
でもしっかり打ち合わせがあって、勝負は決まっていて、技はここまでしか
当てないとか、プロレスの文法が透けてみえてしまうのはいかがなものかと。
稚拙であればあるほどリアルから遠ざかる。
まあこれは小さなプロレスと名乗っている団体にも同じことが言えるし
女子プロレス自体がそうであるし。
そこをどうやって説得力をもたせるかが鍛えた体と技だろう。
面白いのはAKBのプロレスは、リングという舞台の演技なのに見ている方がそれを
リアルととらえて声援を送りまわりの大人も拍手してるところ。
リアルと言っても勝負と技の攻防に関して。
通常のプロレスにもフェイクはあるだろうと思いつつもリアルだという視点で見ている。
リアルかフェイクか。プロレスは八百長だ。
でも僕らはそんなことはとうの昔に解決済みだ。
猪木のプロレス最強が嘘であったように。
佐山と山本が組んだケーフェイでプロレスを暴露されて。
UWFもふつうのプロレスだったように。
総合で高田や船木たちが負け続けて
橋本が小川に勝てなかったときプロレスラー最強の夢を僕らは捨てた。
リアルファイトの幻想を捨てた。
強さを体現していた長州たちが一戦から退いて永田、棚橋が新日を支えていたとき
僕ら昭和プロレス者はプロレスっていうジャンルを再構築した。
だからAKBのプロレスがどうのこうの言っても何十年もまえに言い古された
論調しか出てこない。
ただひとつ気がかりなのは、秋元お得意のパロディーにするのだけはやめてほしい。
この興行を何度もうっていくときは、それはもう既存のプロレスを茶化し始めたと
みていいだろう。
こういうものは1回だけでいい。
そしてまたテレビの中のフィクションへ戻ってほしい。