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極私的プロレス観戦論

続 長州の革命

今のプロレスはゴングと同時に派手な技の攻防に入る。

昔はバックの取り合いからグラウンドの攻防そして後半へ移るのが定石だった。

その定型パターンを壊したのが長州のハイスパートレスリングと呼ばれたスタイルだ。

 

馬場になんて忙しいんだと呆れさせたこのスピード感溢れるプロレスはあっという間に主流となる。

今、見慣れているプロレスは長州が先鞭をつけたものだ。

このために動けないレスラーは消えていく。

ブッチャーがトップから転げ落ちたのはいい例だ。

リングを常に走り回っているノンストッププロレスは今では当たり前の風景になった。

 

結果、元力士にみるアンコ型のレスラーの居場所がなくなる。

ファンにはその頑丈さよりも鈍臭い雰囲気。スローな足運びは時代遅れに映った。

その代わりに大学レスリング部のルートから元アマレスのレスラーがリングに上がるようになったのも長州の功績だ。

永田、馳、中西、藤田、カシン、中邑達がロープをまたいだ。

 

長州がいなければスピードプロレスはジュニアにカテゴライズされていただろう。

アマレスをベースにしたスポーツプロレスも定着しなかっただろう。