エキシビションマッチがダブルメイン
ジェリコ 、海外では文句なしのビッグネームだ。
でも僕にとってはライオン道。ずいぶん老けたなあ。
今の新日を支えるファンってジェリコがどのくらい凄いかなんて知らないし。
わざわざ斉藤君の説明書きを読まないとわからない。
そもそもリアルタイムのレスラーでもない。
久しぶりの未知の強豪外人レスラーの登場か。
ケニーを流血に追い込み会見で乱闘してみせる。
すべてがリアルと思っていた昭和プロレスの古き良き風景を再現してみせたのは、
それがWWE仕込みのシナリオからか。
はたまたかつてのボス、冬木の薫陶の影響か。
ジェリコも前時代的なアングルを好む昭和レスラーのカテゴリーに入るからなのか。
邪道外道の遊び心なのか。
こんなアングル必要ないし今の時代にそぐわない。
そもそもなぜケニーにあそこまでするのか。
とってつけた因縁に見ている方は嫌悪感を持つ。
ジェリコの格を下げるだけだ。
試合で魅せる自信がないのだろうか。
50近いセミリタイアのレスラー。
まだその肉体は見ていない。
腰のまわりにだぶついた肉をぶら下げながらリングには上がってほしくない。
上半身を見たときがっかりさせないでほしいものだ。
ジェリコとケニーのやり取りの向こうに仲良く打ち合わせしている姿が透けてみえて
興ざめしているプロレス者は少なくないだろう。
誰がこんな陳腐なストーリーを書いたのか。
ジェリコのスーパースターの格を下げるものでしかない。
この延長線上にドームの試合があるなら淡白なWWEテイストの試合展開になることは必至だ。今のジェリコに20分を超える試合ができるのだろうか。
ケニーの相手なら飯伏か。そのカードが早急なら葛西をマッチメイクした方が見る方の共感は得られただろう。
つまり、ジェリコケニー戦はファン不在の海外向けのエキシビションマッチということになる。
まあそんな会社都合のカードをダブルメインとして押しつけられる今のファンにとってはいい迷惑でしかない。
会社の海外戦略にはうってつけだし。ビッグネームを利用する海外への営業カードであることも重々承知だ。
だからこそジェリコの神格性を膨らませるべきだった。
ジェリコのハイライトは大阪でビデオメッセージが流れたあの瞬間につきる。
乱入 流血 乱闘 必要なかった。
いつの時代のアングルをなぞっているのか。
似たようなシチュエーションは、テリー対ハンセンの関係が思い浮かぶ。
なぞるならあのシナリオの方がしっくりきた。
下り坂のレジェンド 対 日の出の勢いのケニー
どちらも日本のインディーから登ってきたレスラー
同じカナダ出身
お互いリスペクトするもの同士の世代交代的な試合。
テリーとハンセンの図式にも当てはまる。(当時日本にはインディー団体はなかったが)
無駄な味付けはいらなかったのに。残念でならない。
ジェリコに必要だったのは、どんなレスラーにも真似できない
スーパースターとしてのオーラと神格性だった。
あのジェリコをこんな安っぽいレスラーに仕立ててしまったのは誰なのか?
寒いドームがさらに寒くなるような試合にならないことを願うばかりだ。