T-SHIRT CLUB
このTシャツは、週刊プロレス20周年の時に販売したものです。
よれよれになってしまったので捨てようと思っています。
それで、形に残しておこうと思いここに写真をのせました。
つまり遺影ということになりますね。
世間を巻き込んだターザン山本率いるモンスター雑誌のころの表紙の数々が
プリントされています。
プロレスファンならばその表紙に一喜一憂したことでしょう。
なんでこのレスラーが表紙なんだよって。
ファン以上に熱くなっていたのは当のプロレス団体でしたね。
取材拒否やらなんやらターザンとの場外乱闘は下手なリング上の出来事より
面白かったです。
そのターザンですが先日アザゼル様のブログで健在な姿を拝見できました。
元気な姿をみて目頭が熱くなりました。たまに紙の媒体で近況を読みますが
あの傲岸不遜なターザンの面影はなくひからびた老人のようで寂しく感じていました。
きっと夢の架け橋の時もリングに上がりたかったのでないかなと思います。
長年の夢がかなったのではないでしょうか。あの緑色になった写真をみて
プロレス少年のような表情をしていてとても嬉しそうでしたから。
70を過ぎてリングに上がる。プロレスファンとしては夢のような老後ではないでしょうか。レスラーでもないのに。
あの姿をみたとき晩年にFMWでリングに上がっていた怪人シークの姿とダブるものがありました。シークも70を前にして火を噴いていましたから。世界中探しても火炎放射しているお爺さんなんていないだろって熊谷体育館で追い回されながら感激したことを思い出しました。
老いてなお狂気をまとうシーク。ターザンの姿にもプロレスを追い続けた者だけが発することができるオーラを感じました。これこそ滝沢馬琴の南総里見八犬伝に通じる虚実皮膜の世界の体現かと。
このターザンの姿を見たとき、「こんなの茶番だ」と否定したい自分といつかは自分もあのリングの上でBUSHIの毒霧を浴びて人生に幕を下ろしたいと思う自分がいたことを
否定できません。
軽蔑と憧憬という相反する感情に挟まれて悶絶したプロレスファンは
一人や二人ではないでしょう。
ターザンへの否定。それは羨望の裏返しかもしれません。
これをどこかで聞いたGK金沢氏は、どう思ったでしょう?
表向きはキワモノとして切り捨てるでしょう。
しかしどこかで悔しさがあるのではないかなと思います。
なぜならプロレスファンとはプロレスラーになりたかったけど
なれなかった者たちのことを指すからです。
プロレス記者もプロレスラーになれなかった者たちの姿だからです。
いつかどこかでターザン対GKのカードが組まれることを願ってやみません。
活字プロレスの両雄が対峙する。もちろんタッグパートナーは猪木と長州です。
特別レフェリーは天龍。
公認凶器は週プロとゴングで。
実況は古館アナ。
スポンサーは怨敵メガネスーパー。
武藤敬司あたりに企画実現してもらいたいです。
高齢化する日本社会において毒霧をあび額から流血し全身緑色の老人。
次の週刊プロレスの表紙はこれしかないでしょう。
実現すれば80年代の金曜夜八時ワールドプロレスリングに熱狂した世代へのまたとないエールとなるでしょう。
ベースボールマガジン社の英断に期待します
まず無理でしょうけど ( ̄∇ ̄)
最後にこの試合をアップしていただいたアザゼル様に感謝いたします。