marico world order

極私的プロレス観戦論

プロレスブックレビュー 鈴木みのる編

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2年前に出た鈴木みのるの本。


インタビュー形式で書いてあります。

面白くて一晩で読んでしまいました。

本の中でインタビューに答えているのは、あの憎憎しげなヒールのみのるではありません。


昔を振り返る懐古趣味的な内容でも

ありません。

受け狙いの暴露本でもありません。

硬派な読みものです。

リアルタイムでトップに立つレスラーの立場からものを言ってます。


みのるの行動原理がよくわかります。

みのるのプロレスを構成している考え方が伝わります。

なぜ主にスリーパーとパイルドライバーの2つの技しか使わないのか?

みのるの受け身がぎこちないのはなぜか?

攻めることと受けること。

新日と全日の違い。

どちらにも染まらないできたみのるのキャリアだからこそ言える比較論は秀逸です。


モーリス スミスとのエピソードと前田の一言に関するくだりは、ここだけでもお金を払う価値があります。

前田の凄さとそれを言える今のみのるの凄さが伝わります。


高山との対談があります。なぜ今回みのるが真っ先に行動したのかこれを読めばわかります。みのるが流した涙を僕らも流すことになります。


変にいきがったりかっこつけたりしてません。肩の力が抜けていて読みやすいです。


全体的にはフラットな立場でさらに俯瞰的に見てます。

これは、90年代のプロレスに全く触れていないことが大きいと思います。


ふだん我々が目にしているレスラーみのるとは全く違うみのるです。みのるのイメージが変わると思います。嫌いだと言っている人ほど読むとファンになってしまうかもしれません。


追記

安生の強さを知れて得な気分になりました。