marico world order

極私的プロレス観戦論

柴田のいない夏

あのまま何事もなければ、

 

内藤の前に立っていたのは棚橋ではなく柴田だったのかもしれない。

 

内藤の決勝の相手は柴田だったかもしれない。

 

そして

 

トップ4は 内藤 柴田 オカダ ケニー だったのだろう。

 

 両国で柴田のいない新日は、ほとんどの試合が同じにみえた。

 

柴田のたたずまい。殺気。

刹那的なファイト。

技の説得力。

妙にフレンドリーなコメント。

(今、言葉でプロレスができるレスラーの2人のうちの1人)

 

いなくなってみると柴田にしか作れない世界観があったのだと思った。

 

プロレスラー最強幻想。

 

そして格闘技 喧嘩の匂い。

 

柴田の試合は、いつもヒリヒリしていた。 

 

柴田は、棚橋の作った今の新日と猪木前田がいた新日をつないでいたように思う。

 

猪木と前田の雰囲気をまといながら

リングに立つ柴田。

それができるのは鈴木みのるもそうだが、

まとっている殺気では柴田の方が直接的だ。

(たぶんみのるは、世慣れてしまっているからだろう。)

 

もし決勝が、柴田対内藤だったら。

いや、もうよそう。

柴田は、別のリングでプロレスをしているのだから。

 

 

 

昭和の殺気に満ちた新日本プロレスからのファンにとって

柴田がいないという喪失感はあまりにも大きい。