marico world order

極私的プロレス観戦論

内藤の目指すものとは?

今年の夏のG1を見ていて印象に残った試合がある。

それは矢野とエルガンの試合だ。

エルガンが矢野のトリックプレーにより反則負けになった。

 

G1という1年に1回のリーグ戦であれはないだろという意見があった。

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これは、G1は

真っ向勝負 反則 介入なし レスラーの格はない

無駄な流血もない。

完全スリーカウント決着

興行的なアングル ストーリーがない

勝負としての純度が100%に近い

そのとき一番強いレスラーが優勝する

リングアウト勝ちもない。

(これで棚橋がファレに勝ったのだが後楽園ホールの空気はやはり微妙だった。)

 

EVILのイス攻撃も、スポーツ勝負論、一般社会からは遠い位置にある。

プロレスマニアという枠内では容認されるが。

タイトルマッチやG1で封印したらさらにスケールアップしたレスラーになるだろう。

 

うさんくさいプロレスが入り込まない。

他のプロレス団体との差別化がここにある。

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G1にはこういったイメージがあるから矢野の試合には常に疑問符がつく。

見ていて違和感を感じる。

矢野は好きなレスラーだが、ことG1という舞台ではどうか。

鈴木軍の介入も同じレベルで見られている。

永田 小島が負けがこんでもその真摯な姿勢にスポーツとしてのリアリティを感じるからあれだけの声援が送られる。

 

 

僕としては、

G1とタイトルマッチに限っていえばこのスポーツとして純度をあげていってほしいと思う。

したり顔でこういうストーリーだから内藤が勝つよ。

そいうい昔のプロレスファンが入り込めないような勝負論。

他のスポーツや格闘技ではこの手の話はまず出ない。

錦織が勝つように決まっていたなんて誰も言わない。

日本人は、エンターテイメントより真剣勝負が好きなのだ。

どっちが勝つのか。弱ければ負ける。

オカダも負ける。ジュースが勝つ。

 

 

東京ドームを新日本プロレスだけで5万、6万集めるためには野球やサッカーと同じ

レベルで語られるようにならなければいけないと思う。

 

内藤とオカダ どっちが強いのか?それだけに焦点をしぼる。

いまのファンはそこを期待して見ているのではないか。

そのファンのニーズに応えてきたから新日の人気が上昇しているのではないか。

 

長年のプロレスファンの願い。

スポーツニュースでタイトルマッチのダイジェストと結果が流れる

プロレスは八百長ではない。筋書きはない。

柴田の負傷は、プロレスが命をかけていることを世間に示した。

柴田のケがは大変だが、世間のプロレスをみる目は変わったと思う。

マジじゃん。ガチなんだ。

 

内藤が最近 介入という手段を使わないのも

BUSHIの毒霧の回数が減ったのもファンの心理を感じているからではないか。

(鈴木軍との差別化からかもしれないが)

G1の人数、権利証ワンマッチの意見もスポーツとしてのリアリティの追求を

し始めているのではないか

内藤はカープファンだからマツダスタジアムになぜあれだけのファンが集まるのかも

考えているだろう。プロレスと野球、サッカーとの違いは何か?

それは、

 

勝ち負けに重きを置かないプロレス

     と

勝ち負けがすべての野球。

 

そこに勝負としてのリアリティがなければ人は会場には足を運ばない。

 

内藤は、そこに目をつけ始めているのではないだろうか?

彼は負けた試合に関して、言い訳しないしそれを認める言動からもリアリティを感じる。

アメリカと日本の違いも口にしている。

WWEのような手法は日本のファンは求めていないことを彼はわかっている。

 

内藤が、プロレス村から飛び出して対世間、一般社会を相手にしようとしているなら

今までプロレスファンが誰も見たことがない景色を本当に見せてくれるだろう。

 

プロレスが

野球 サッカー 大相撲、と同じレベルでメジャースポーツになった景色。